一般社団法人アスリート・エンパワーメントでは、このたびサポートチームである武蔵大学男女ラクロス部および埼玉大学男子ラクロス部の学生メンバーを対象に、「大学スポーツにおけるセーフガーディング」をテーマにした研修プログラムを提供しました。

なぜ、今「セーフガーディング」が必要なのか?
スポーツ界における「セーフガーディング」とは、単なる不祥事防止ではありません。当日の講習では、「真の強さは、安心安全から生まれる」というメッセージを主軸に、以下の3つのポイントを重点的に伝えました。
- 世界基準の「スポーツ・インテグリティ」
勝利至上主義から脱却し、アスリートの権利を守ることは世界的なスタンダードになりつつあること。 - 大学生アスリートの「グレーゾーン」
大学生は指導者から見れば「守られるべき存在」である一方、後輩やスタッフに対しては「安全を作る側(ガーディアン)」という二面性を持っていること。 - 「力の差」への自覚
ハラスメントは、監督と選手、先輩と後輩といった「力の差」から生まれるので、自分自身の立場が相手より強くないかという自覚を持つことが、大切であること。

プログラムの内容:具体的なリスクを「言葉」にする
ワークショップでは、具体的な「危害」の定義(身体的・精神的虐待、ネグレクト、搾取など)を学び、SNSでのデジタル・タトゥーのリスクについても議論を深めました。
また、チーム内に「石垣」を作るように、一人ひとりの意識(小さな石)を積み重ね、予防・報告・対応のサイクルを回していくことの重要性を共有しました。
参加した学生たちの声(アンケートより)
当日実施したアンケートでは、多くの学生から「自分たちの活動を見直すきっかけになった」という前向きな回答が得られました。
- 「ハラスメントは力の差から生まれるという言葉が刺さった。無意識のうちに後輩に対して強い立場を利用していないか、常に自問自答したい」
- 「密室での1対1やSNSでのやり取りなど、具体的な行動規範(Do/Don't)が示されたことで、今日から何をすべきか明確になった」
- 「『なんか変だな』という違和感を言葉にする勇気が、チームを守ることにつながると知った。相談窓口の重要性を実感した」

アスリート・エンパワーメントとしての想い
恐怖で支配されたチームは脆く、信頼で結ばれたチームこそが真に強い。セーフガーディングは、活動を制限する「禁止事項」ではなく、選手たちが最大限のパフォーマンスを発揮し、勝利(エンパワーメント)をつかむための「土台」です。
今回のプログラムを通じて、両大学のラクロス部が、よりリスペクトに満ちた強い組織へと進化していくことを確信しています。
私たちはこれからも、スポーツを通じて学生アスリートが自らの力を発揮できる環境づくりを全力でサポートしてまいります。
講師プロフィール石渡 圭輔(いしわた けいすけ)
NPO法人スポーツコーチング・イニシアチブ 理事 / 株式会社SPOCOM 代表取締役 / 一般社団法人アスリート・エンパワーメント 代表理事。
武蔵大学男女ラクロス部GM、埼玉大学男子ラクロス部GMの他、中高生女子ラクロスチームのコーチ、小学生フラッグフットボールチーム / ラクロスチームの代表を務めるなど、多世代のスポーツ指導及びスポーツ環境の改善活動に携わる。

